18トリソミー(エドワーズ症候群)

概念・定義

18 トリソミー症候群は、常染色体異数性の染色体異常症で、18 番染色体全長あるいは一部の重複に基づく先天異常症候群である。出生児3,500~8,500 人に1 人の頻度で見られ、女児に多い(男:女=1:3)。

 

症状

フルトリソミーの場合、胎児期からの成長障害、身体的特徴(手指の重なり、短い胸骨、揺り椅子状の足など)、先天性心疾患(心室中隔欠損[VSD]、心房中隔欠損[ASD]、動脈管開存[PDA]などの単純な左右短絡疾患が多いが、大動脈狭窄、両大血管右室起始などの複雑型心疾患もある)、肺高血圧(PH)、呼吸器系合併症(横隔膜弛緩症、上気道閉塞、無呼吸発作など)、消化器系合併症(食道閉鎖、鎖肛、胃食道逆流など)、泌尿器系合併症(馬蹄腎、水腎症、そけいヘルニアなど)、筋骨格系合併症(多指症、合指症、橈側欠損、関節拘縮、側弯症など)、難聴、悪性腫瘍(Wilms 腫瘍、肝芽腫)などの症状を呈する。モザイク型トリソミーの場合、症状は全体として軽症となる傾向にあるが、フルトリソミーに近い場合もある

 

合併症

先天性心疾患に基づく左右シャントによりうっ血性心不全および肺高血圧が早期に進展しやすいこと、上気道(小顎など解剖学的問題、嚥下困難、胃食道逆流、感染)・下気道(肺うっ血、感染)病変および無呼吸発作により呼吸不全をきたしやすいことが生命予後に影響するとされる

 

治療

標準的新生児集中治療、心臓手術、食道閉鎖手術などの手厚い医療により、生命予後が改善するとするエビデンスが蓄積している。また、生存する限り、ゆっくりながらも発達をとげること、親は子育てに前向きであり、児も親や同胞と何らかの交流をし続けている。深刻な予後(生命、神経学的)を医療者と家族が共有し、児にとっての最善の利益を目指して、刻々と変化する病状に合わせたきめ細かな医療的ケア、療育的支援、家族への心理社会的支援を行っていくことが肝要である

 

抜粋元:18トリソミー症候群 概要 - 小児慢性特定疾病情報センター (shouman.jp)

 

関連団体

18トリソミーの会 (18test.work)