ヒルシュスプルング病

概念・定義

肛門から連続する無神経節腸管のため生後数日の間に機能性の腸閉塞症状で発見される。その後ヒルシュスプルング病と診断される。無神経節腸管の短い短域型では多くが乳児期に根治術が可能であるが、長域型以上その中でも全結腸型以上の症例は重症であり長域腸管蠕動不全のため人工肛門造設が必要であり、死亡症例も多い。特に全結腸以上の症例数は全体の 10%程度と稀であるために調査も不十分なまま課題として残され、治療法の開発も遅れている。全結腸型以上については症例の蓄積を行い検討する必要がある。

 

症状

胎便排泄遅延、腹部膨満で発症し、短域型の症例は慢性的な便秘症状で経過する場合もあるが、無神経節腸管の長さが長くなる症例では放置すると腸炎から敗血症へと至り死亡する症例も存在する。

 

治療

無神経節腸管の切除と口側正常腸管の肛門への吻合が根治術となる。全結腸以上にわたる症例では無神経節腸管切除による根治術後も、栄養吸収障害や水分管理目的で埋め込み型の中心静脈カテーテルの留置が必要な場合が多い。小腸型を含む無神経節腸管が広範囲に及ぶ症例には小腸移植あるいは多臓器移植を必要とする症例も存在する。

 

抜粋元:ヒルシュスプルング(Hirschsprung)病 概要 - 小児慢性特定疾病情報センター (shouman.jp)