先天性サイトメガロウイルス感染症
概念・定義
多くは妊娠中の妊婦がサイトメガロウイルスによる初感染をおこし、胎児が感染することにより発症する。出生時より何らかの異常を認める場合や、無症状の場合もある。効果的な治療法は現時点では確立しておらず、出生時の症状の有無にかかわらずその後難聴や発達障害など遅延性障害を合併する場合もある。
臨床症状
症候性の場合には、胎児発育遅延にともなう低出生体重、肝脾腫、脳室内石灰化、脳室拡大、肝機能以上、血小板減少、網膜炎、けいれんなどの症状を伴う。無症候性の状態で出生しても、その後軟調や精神運動発達遅延、てんかんなど遅延性障害が出現することがある。
治療
妊娠中に診断された例に対する有効な治療法は確立されていない。症候性の児に対する抗ウィルス薬の有効性を示す報告もあるが意見の一致をみていない。これらの薬剤は、副作用が強く、その使用にあたっては慎重な判断が求められる。
抜粋元:先天性サイトメガロウイルス感染症 概要 - 小児慢性特定疾病情報センター (shouman.jp)