気管軟化症

疾患概念

気管軟化症は気管や気管支の内腔が保たれず、虚脱(扁平化)し、閉塞症状を来すものと定義される。

 

臨床症状

以下の様な症状を呈する

・喘鳴:吸気時に喘鳴を聴取する。

・咳嗽:特徴的な咳嗽を認める。犬吠様咳嗽と表現され、音が低いのが特徴である。

・繰り返す呼吸器感染症:狭窄による分泌部の貯留が起りやすく、気道感染を反復する事が多い。

・低酸素血症・呼吸困難:狭窄の程度が高度になると低酸素血症や呼吸困難を呈する。安静時には比較的軽度であるが、特に啼泣時には症状が増悪し、窒息に至る事もある。

 

治療

・低出生体重児に見られるものでは、保存的に気道の成熟による気管壁の強度の改善を待つ。

・抜管困難例では、気管内挿管もしくは気管切開による内ステント効果および陽圧呼吸(PEEP)を利用する。

・外科的治療の適応:気管軟化症では、窒息を起こすような発作(dying spell)のある例や、気管内挿管や人工呼吸管理から離脱できない例が手術適応となる。主として気管分岐部付近に限局する軟化症には大動脈胸骨固定術およびその変法が有効である。

・広範囲の気管壁の軟弱化には気管外ステントが選択される。

 

抜粋元:気道狭窄(咽頭狭窄、喉頭狭窄、気管狭窄、気管軟化症、気管支狭窄症・軟化症) 概要 - 小児慢性特定疾病情報センター (shouman.jp)