短腸症候群

概念・定義

短腸症は小腸の大量切除に伴う吸収不良の状態と定義される。一般的に小腸の70-80%が切除すると厳重な栄養管理を要するとされる。小児における短腸症の原因としては壊死性腸炎、中腸軸捻転、小腸閉鎖など先天性腸疾患や外傷が原因となる。下痢、体重減少、脱水、栄養障害などが見られ、小児ではしばしば成長障害に陥る。

 

症状

症状は下痢、体重減少、脱水、栄養障害などが見られ、著しい場合は成長障害に陥る。症状は大きく分けると三期に分けることができる。第一期は多量の下痢に伴う水分と電解質の喪失である。第二期は残存腸管の再生が促進され、吸収能の改善と共に下痢が改善していく。第三期は腸管が十分に適応され、下痢がコントロールされて中心静脈栄養から離脱できるようになる。

 

治療

治療の一つは栄養管理で初期の段階では中心静脈栄養管理を行う。急性期が過ぎ病状が安定した段階で可及的速やかに経腸栄養を開始する。必須鵜脂肪酸や脂溶性ビタミンの欠乏に注意する。中心静脈栄養の離脱が困難と判断された場合は在宅経静脈栄養への移行を考慮する。外科的にはSTEP 手術など腸管の長さを延長させ、吸収能を改善させる手技が報告されている。難治性の重症例などでは小腸移植の適応となる。

 

抜粋元:短腸症 概要 - 小児慢性特定疾病情報センター (shouman.jp)