医療費の助成や手当、それから福祉サービスを利用するのに役所や保健センターなどで申請手続きが必要になります。 このページでは医療的ケア児が利用可能な制度や手当についてまとめています。
障害者手帳
身体障害者手帳 | 体( 目・耳・手足・内臓等)に障害のある方 程度:1-6級 |
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療育手帳 | 知的障害のある方 程度:A、B、B- |
精神障害者保健福祉手帳 | 精神疾患を有する人のうち、精神障害のため長期にわたり日常生活または社会生活に障害がある方 程度:1-3級 |
医療費の助成
未熟児養育医療(0-1歳)
出生時の体重が2,000g以下または一定の基準に該当すると医師が認めた未熟児の入院医療費にかかる助成。おむつ代など保険適用外と判断される費用は対象になりません。該当する場合は出生後すぐ申請します。
小児慢性特定疾病医療費助成(原則18歳未満)
対象となる小児慢性特定疾患にかかっている方の医療費助成。 原則18歳まで、継続の方は20歳まで延長できます。 診断が出てから申請します。判定結果がでる迄に申請から3ヶ月程かかりますが、基準日は申請日です。
子どもの医療費助成
お子さんの医療費助成。出生後落ち着いてから申請します。
自治体によって名称、対象年齢、助成金額が異なります。
重度心身障がい者医療費助成
重度の障害のある方の医療費助成(対象は子どもから大人まで)。
多くの場合、子どもの医療費助成との主な違いは対象年齢のため、申請するとしても出生後落ち着いてからで十分です。
指定医療費(指定難病)助成
対象となる指定難病と診断された方の医療費助成。
20歳まで小児慢性特定疾病医療費助成を利用し、その後指定難病にうつる方が多いですが小さいときから指定難病を使われる方もいます。
その他の助成
日常生活用具給付申請
一般的に普及していない日常生活用具の購入費用を9割給付してもらえる制度。医療的ケア児の場合、ネブライザー、痰吸引器、パルスオキシメータ―等の用具購入にあたり申請することが多いです。在宅移行期に申請します。
補装具費給付申請
身体機能を補完、代替し、長期間にわたり継続して使用される補装具の購入・修理に必要な費用を9割給付してもらえる制度。医療的ケア児の場合、バギーや座位保持椅子などの購入にあたり申請することが多いです。在宅移行期に申請します。バギーなどの福祉用品は、申請から手元に届くまで半年以上かかることもあるので、早めに動き始めることをお勧めします。
非常用電源購入に関する助成金
(一部の自治体で整備されている制度)
在宅で人工呼吸器や酸素濃縮器などの電気式の医療機器を使用する呼吸器機能障がいのある方や難病患者の方などに対し、非常用電源装置等の購入に係る費用を助成。在宅移行期に申請します。一部の自治体で整備されている制度のためお住まいの地域では存在しないこともあります。
在宅難病患者等酸素濃縮器使用助成
(一部の自治体で整備されている制度)
在宅で酸素療法を行っている方を対象として、現在使用されている酸素濃縮器等の電気料金の一部の助成。在宅移行期に申請します。一部の自治体で整備されている制度のためお住まいの地域では存在しないこともあります。
手当・年金・税控除など
児童手当
0歳から中学校卒業まで(15歳になった最初の3月31日まで)の子どもを養育している方がもらえます。金額は、子どもの年齢・人数や保護者の所得によって変わります。父母等の受給者名義の口座へ支給されます。出生日から15日以内に申請が必要です。
対象
中学校卒業まで(15歳の誕生日後の最初の3月31日まで)の児童を養育している方
支給額・その他
<月額>
0歳~3歳未満 | 一律15,000円 |
---|---|
3歳~小学校修了前 |
(第2子まで)10,000円 (第3子以降)15,000円 |
中学生 | 一律10,000円 |
所得制限額(※)以上 一律5,000円
<扶養人数ごとの所得制限限度額>
0人 | 622万円 |
---|---|
1人 | 660万円 |
2人 | 698万円 |
3人 | 736万円 |
4人 | 774万円 |
以降1人増えるごとに38万円が加算されます。
児童扶養手当(ひとり親家庭)
ひとり親家庭等の自立と生活の安定のために、対象年齢(18歳になった最初の3月31日〈障害児は20歳未満〉まで)の子供がいる家庭がもらえます。なお、所得制限があります。
対象
次のいずれかに該当する18歳になった最初の3月31日までの児童(一定以上の障害の状態にある場合は20歳未満)を養育している方
支給額・その他
- 父母が離婚した児童
- 父又は母が死亡した児童
- 父又は母が重度の障害を有する児童
- 父又は母が生死不明である児童
- 父又は母に1年以上遺棄されている児童
- 父又は母がDV保護命令を受けた児童
- 父又は母が法令により1年以上拘禁されている児童
- 婚姻によらないで生まれた児童
- 支給額・その他
<月額>
所得に応じて手当額を算定します。
全部支給(所得制限額未満) | 43,070円 |
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一部支給 | 43,060円~ 10,160円 |
<加算額>
第2子
全部支給 | 10,170円 |
---|---|
一部支給 | 10,160円~ 5,090円 |
第3子以降(1人につき)
全部支給 | 6,100円 |
---|---|
一部支給 | 6,090円~ 3,050円 |
扶養人数ごとの所得制限限度額
扶養親族等人数 | 受給資格者本人 | 配偶者・扶養義務者 孤児等の養育者 |
|
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全部支給 | 一部支給 | ||
0人 | 49万円 | 192万円 | 236万円 |
1人 | 87万円 | 230万円 | 274万円 |
2人 | 125万円 | 268万円 | 312万円 |
3人 | 163万円 | 306万円 | 350万円 |
4人 | 201万円 | 344万円 | 388万円 |
5人以上 | 1人につき38万円加算 |
児童扶養手当の額は、物価の変動等に応じて毎年額が改定されます(物価スライド制)。
特別児童扶養手当
対象
20歳未満で精神又は身体に障害を有する児童を家庭で監護、養育している父母等に支給されます。養育者名義の口座へ支給されます。
申請時期
在宅移行期(時期は主治医等と相談してください)。判定結果がでるまでに1~2ヶ月ほどかかります。
支給額・その他
支給月額(令和4年4月より適用)
1級 | 52,400円 |
---|---|
2級 | 34,900円 |
支払時期
特別児童扶養手当は、原則として毎年4月、8月、12月に、それぞれの前月分までが支給されます。
所得制限
受給資格者(障害児の父母等)もしくはその配偶者又は生計を同じくする扶養義務者(同居する父母等の民法に定める者)の前年の所得が一定の額以上であるときは手当は支給されません。
(単位:円、令和3年8月以降適用)
扶養親族等の数 | 受給資格者本人 | 配偶者・扶養義務者 孤児等の養育者 |
||
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所得額 (※1) |
参考:収入額の目安 (※2) |
所得額 (※1) |
参考:収入額の目安 (※2) |
|
0 | 459.6万 | 642万 | 628.7万 | 831.9万 |
1 | 497.6万 | 686.2万 | 653.6万 | 858.6万 |
2 | 535.6万 | 728.4万 | 674.9万 | 879.9万 |
3 | 573.6万 | 770.7万 | 696.2万 | 901.2万 |
4 | 611.6万 | 812.9万 | 717.5万 | 922.5万 |
5 | 649.6万 | 854.6万 | 738.8万 | 943.8万 |
※1 所得額は、地方税法の都道府県民税についての非課税所得以外の所得等から、医療費控除、障害者控除及び寡婦控除等の額を差し引いた額です。
※2 ここに掲げた収入額は、給与所得者を例として給与所得控除額を加えて表示した額です。
支給手続
住所地の市区町村の窓口へ申請してください。
問い合わせ先(全国市町村の障害福祉窓口)
障害児福祉手当
対象
精神又は身体に重度の障害を有するため、日常生活において常時の介護を必要とする状態にある在宅の20歳未満の者に支給されます。(医療機関に入院している場合も対象)。
本人名義の口座へ支給されます。
申請時期
在宅移行期(時期は主治医等と相談してください)。判定結果がでるまでに1~2ヶ月ほどかかります。
支給額・その他
支給月額(令和4年4月より適用)
14,850円
支払時期
障害児福祉手当は、原則として毎年2月、5月、8月、11月に、それぞれの前月分までが支給されます。
所得制限
受給資格者(重度障害児)の前年の所得が一定の額を超えるとき、もしくはその配偶者又は受給資格者の生計を維持する扶養義務者(同居する父母等の民法に定める者)の前年の所得が一定の額以上であるときは手当は支給されません。
(単位:円、令和3年8月以降適用)
扶養親族等の数 | 受給資格者本人 | 受給資格者の 配偶者及び扶養義務者 |
||
---|---|---|---|---|
所得額 (※1) |
参考:収入額の目安 (※2) |
所得額 (※1) |
参考:収入額の目安 (※2) |
|
0 | 360.6万 | 518万 | 628.7万 | 831.9万 |
1 | 398.4万 | 565.6万 | 653.6万 | 858.6万 |
2 | 436.4万 | 613.2万 | 674.9万 | 879.9万 |
3 | 474.4万 | 660.4万 | 696.2万 | 901.2万 |
4 | 512.4万 | 702.7万 | 717.5万 | 922.5万 |
5 | 550.4万 | 744.9万 | 738.8万 | 943.8万 |
※1 所得額は、地方税法の都道府県民税についての非課税所得以外の所得等から、医療費控除、障害者控除及び寡婦控除等の額を差し引いた額です。
※2 ここに掲げた収入額は、給与所得者を例として給与所得控除額を加えて表示した額です。
支給手続
住所地の市区町村の窓口へ申請してください。
問い合わせ先(全国市町村の障害福祉窓口)
心身障害者扶養共済制度
障害者を扶養している保護者が毎月一定の掛金を納め、保護者が死亡または重度障害と認められた場合、障害者に終身一口あたり20,000円の年金を支給する(二口まで加入可能)。
任意加入のため、保護者が希望するときから保護者の年齢が満65歳未満までに。
障害基礎年金
20歳前に初診日がある病気やけがで、一定の障害状態にある方。
20歳の誕生日の前日から申請可能です。
税控除
所得税
障害者控除 | 27万円 |
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特別障害者控除(※1) | 40万円 |
同居特別障害者控除(※2) | 75万円 |
住民税
障害者控除 | 26万円 |
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特別障害者控除(※1) | 30万円 |
同居特別障害者控除(※2) | 53万円 |
(※1)障がい者のうち身体障害1・2級、精神障害1級、療育手帳A級に該当する者、または、これらの者を扶養している者
(※2)同居する特別障害者を扶養している者
産科医療補償制度
制度に加入している分娩機関で生まれた赤ちゃんが、分娩に関連して重度脳性麻痺となり、所定の要件を満たした場合に、赤ちゃんとご家族の経済的負担を速やかに補償するとともに、脳性麻痺発症の原因分析を行い、同じような事例の再発防止に役立つ情報を提供する制度です。申請期限は、満5歳の誕生日までです。お子さんがこの制度を申請できるかどうかは、小児科担当医に聞いてみましょう。
高額障害福祉サービス等給付費
以下のサービス等のいずれか複数のサービスを利用する場合など、世帯におけるひと月の利用者負担(1割負担額)の合計が基準を超える場合、申請により超過額が還付(償還)されます。申請手続きは市区町村の障害福祉担当窓口で行えます。サービス利用から5年間は申請が可能です。
- 障害者総合支援法に基づく障害福祉サービス等に係る利用者負担額(例:居宅介護、短期入所、就労継続支援など)
- 介護保険の利用者負担額(高額介護サービス費等により償還された費用を除く)(例:訪問介護、通所リハビリなど)
- 補装具の利用者負担額
- 児童福祉法に基づく障害児通所支援、障害児入所支援の利用者負担額(例:放課後等デイサービス、児童発達支援など)
※在宅移行後に各種サービスをしばらく利用してから知っておけば十分です。
心身障害者(児)紙おむつ支給(自治体によって内容が異なる制度)
多くの自治体において重度の心身障害児者に「紙おむつの現物支給」や「おむつ代の助成」を実施される制度があります。地域によっては対象者や自己負担金に違いがあります(3歳以上65歳未満で寝たきりの方が基本的な対象です)。詳細は自市区町村の障害福祉担当窓口に相談してみてください。
問い合わせ先(全国市町村の障害福祉窓口)
障がい者交通費助成(自治体によって内容が異なる制度)
一定の条件を満たす方に対し、毎年福祉タクシー利用券または自動車燃料代の支給を行う自治体が多くあります。詳細は市区町村の障害福祉担当窓口に相談してみてください。
問い合わせ先(全国市町村の障害福祉窓口)
自動車税の減免
障害者自身が使う自動車や、障害者と生計を共にしている人が障害者のために使う自動車、障害者を介護する人が使う自動車は、要件を満たせば自動車税、自動車取得税が減免されます。
有料道路障害者割引
有料道路では、「身体障がい者の方が自ら運転する」または「重度の身体障がい者の方もしくは重度の知的障がい者の方が同乗し、障がい者ご本人以外の方が運転する場合」に、事前に登録された自動車1台に対して、割引率50%以下の障害者割引を実施しております。
割引を受けられる自動車は、事前に登録された1台に限られるなど条件があります。