A-3 在宅移行期(準備その1)
医療機器・医療材料の準備
医療機関によって異なりますが、医療機器については殆どが病院から保険適用でレンタルとなります。
一方、以下の機器については個人で購入となるケースが多く在宅移行時期に準備せねばなりません。
【医療機器】吸引機、吸入器
※1 医療機関によってパルスオキシメーターもレンタルでなく購入が必要となる場合とあります。
※2 日常生活用具の助成を活用できる機器です。承認されると自己負担は1割となります。
【福祉用具】バギー、座位保持椅子
※1 いずれもオーダーメイドで作成に数か月以上時間がかかるため、退院に間に合わなければ病院の予備をレンタルしたりということになります。
※2 補装具費支給制度の助成を活用できる物品です。承認されると自己負担は1割となります。
※3 自家用車を持っている方はカーシートも一緒に購入した方がお得です(負担に月額上限があるため)。
支給物品の確認
支給される医療材料はなにか、どの程度支給されるか、購入しておいた方がよい医療材料はなにか確認が必要です。
例えば、吸引カテーテルやカテーテルチップ(シリンジ)は病院では使い捨てですが、在宅で支給される数には上限があります。
呼吸器に接続する加温加湿器用の精製水は支給される場合とされない場合があります。
各材料の取り扱いは医療機関によって異なるため、退院直前に慌てることのないよう、できるだけ前広に係りつけ医療機関の場合はどうなのか確認しておくことをおすすめします。
同じ境遇の家族と繋がりたいと思った方
既に在宅移行を経験されたご家族は色々なことを知っています。
人によってタイミングは異なりますが、繋がることによって相談ができたり、情報を得られたり、お子さんのお友達ができたり、ご家族にとってもお子さんにとってもよいことが沢山あります。
ご家族の紹介については、病院の看護師やソーシャルワーカーに聞くのも良いですし、地域によって異なりますが役所の障害福祉課や保健センターが情報をもっていることもあります。
お家への帰り方
退院が決まったら病院から家までの帰り方をどうするか考えましょう。
バギーで帰る場合、車を持っていないまたは車椅子対応がまだできていない、という場合は福祉タクシーの手配が必要となります。
福祉タクシー会社は沢山あるので病院に最適な会社を紹介してもらのが一番です。
病院に情報がなく、自分で探さなければならない場合は以下を確認するとよいです。
①車両の大きさ
バギーで乗る場合は、アルファード、ボクシー、ノア、エスクァイア、キャラバン、セレナなど中型以上でないと難しい場合が多いので注意が必要です。
②経験
人工呼吸器をつけている子の場合は、普段から呼吸器をつけた方をのせているタクシーの方が安心感があります。
③電源の有無
近距離であればマストではありませんが、呼吸器をつけている子の場合は、いざという時に車内で電源を取れると安心です。慣れているタクシーだと装備しています。
平日の午前中や夕方はシニアの方々や学校帰りの子どもが利用するため混みやすく、余裕をもって予約することをお勧めします。
尚、福祉タクシーの料金体系は以下の a+b+c で構成されます。
a: 介助料 1000円程度(バギーの載せ下ろしなど手伝ってくれます)
b: 迎車料金(通常のタクシーと同じで数百円)
c: メーター料金(通常のタクシーと同じ体系です)
身体障害者手帳を持っていれば1割引になるため、タクシーに乗ったらすぐに運転手さんに見せて下さい。料金メーターに「障割」というボタンが付いている場合は、ドライバーさんが、ピッと、「障割」ボタンを押すと、自動的に身体障害者割引が適用になった、割引運賃が表示されます。ドライバーさんと顔見知りになれば毎回見せる必要はありません。
在宅移行してからの話ですが、手帳の持ち歩きはかさばるので、障害者手帳アプリ「ミライロ」をダウンロードして活用するのがおすすめです。