C-11 暮らしに役立つ『緊急入院の手順書』
医療的ケア児は、
疾病等のためちょっとした風邪でも呼吸困難等を引き起こし、
発症から間もなく救急搬送その後入院となることも珍しくありません。
夜寝る直前まで元気だったのに、
寝たあと脈拍がどんどんあがり、
SpO2モニタのアラームで起こされて様子を確認すると、
顔色が悪く、ゼコゼコと痰が絡んでいる。
主治医の先生に緊急電話し相談した結果、
すぐ行きつけの病院に入院することに・・・。
このような状況に直面したご家族は少なくないのではないでしょうか。
緊急事態においては、入院準備ができ次第救急車を呼び、
一緒に乗りそのまま付き添い入院となるため、
とにかく早さと正確さが求められます。
しかし、いざその時になると、
ママかパパどちらかは子どものケア(喀痰吸引・排痰補助等)で手が離せなかったり、
下に小さな子がいる場合、授乳中でママは家から出られなかったり、
どうしても慌ててしまい忘れ物ばかりしてしまいます。
そこで、入院・その後付き添うことまでを見通した準備物の参考例として
以下のリストを作成しました。
①緊急通報時の連絡事項リスト
②緊急入院準備リスト
③病院到着後の医師への症状等連絡準備リスト
参考になる部分がありましたら、
スマホのメモアプリなどにコピーアンドペーストなどをして使ってみてください。
~~①緊急通報時の連絡事項リスト~~
凡例:●消防 ○親
●:火事ですか?救急ですか?
○:救急です。
●:住所は?
○:▲▲です。
●:状況を教えてください。
○:◆歳(息子or娘)で◇◇(疾患名)です。
人工呼吸器を使っています。
今日■時頃から痰が多くなり呼吸困難
普段は酸素〇ℓでSpO2が○○程度のところ、
今は○ℓでSpO2が○○です。
脈は普段○○、今は▲▲です。
熱は●●.●℃です。
意識は(鮮明・朦朧等)です。
入院先は決まっていて■■病院、
かかりつけの(病院名)の先生から、
(病院名)に救急車で搬送し入院するよう話を通してもらっています。
【ポイント】
・最初に疾患について救急指令の方にお伝えできるようにしましょう。
・容体等についてなるべく簡潔に伝えましょう。
・必要なものは人それぞれですので、適宜修正をお願いします。
~~②緊急入院準備リスト~~
●・・の部屋
□大きい袋(これから用意するものが入れられる大きさ)
●・・にあるラック
□シャンプー・リンス・ボディソープ
□洗剤
●風呂場
□せっけん
●洗面台
□ハミガキ・歯磨き粉(親用)
□保湿液(親用)
□フェイスタオル ×3(親用)
□下着(親用)
●・・の部屋
□洋服(親用)
●バギー
□低圧持続吸引器
□アンビュー
□ハンガー×2(付き添い時洗濯干しとして)
●・・の部屋
□印鑑
□室内履き(付き添い用)
●台所
□子供くすり(○○・△△・●●)
□子供お薬手帳
□親くすり(○○・△△・●●)
□箸
□スプーン
□お盆
□ごはん・レトルト
●・・の部屋
□各種医療機器用バッグ(必要なものが分かるよう特徴を明示)
□箱ティッシュ
□各種充電器
□お金
●部屋の壁面収納
□保険証・各種手帳・受給者証(救急車で提示するため一番上に)
□酸素チューブ
□おむつ
□ドライヤー
□おしりふき
□付き添い時にあそぶもの(折り紙やクレヨンなど)
【ポイント】
・部屋ごとにまとめています。
・例えば病気の子供から遠い部屋から順次取っていくなど工夫するとよいです。
・必要なものは人それぞれですので、適宜修正をお願いします。
~~③病院到着後の医師への症状等連絡準備リスト~~
救急車の中で、以下のような内容を頭の中で整理することがお勧めです。
●きっかけ(思い当たる節があれば)
※いつ・どこで・どのようになった・対処
例:今日、お風呂で痰を上手く排出できずせき込み苦しそうだった
●症状の始まり
いつ・どこで・どのように・対処
例:寝る前 脈とSpO2は変わらないが少し口数が少なかった。
●症状のはじめから搬送まで
いつ・サチュエーション・
酸素投与量(普段・現在)・熱・投与
例:22:00頃 脈〇〇SpO2▲▲
24:00頃 脈〇〇SpO2▲▲
痰が絡む音がしたため、
起こしてカフ〇回(黄色の痰多量)、
脈〇〇SpO2▲▲
体温○○.▲℃、
熱さまし投入、
酸素毎分〇リットルに変更、
主治医に連絡
搬送中 脈〇〇SpO2▲▲、
体温○○.▲℃
いつ入院となるか分かりません。
余裕があれば事前にシュミレーションをされておくことをお勧めします。