災害時の最重要課題=電源確保!
電源確保の方法を考えよう
いつ何時起こるかわからない災害。
医療的ケア児(医ケア児)や障害のある子(障害児)の家庭では万が一の災害時に備えて色々と準備が必要です。
災害時に困るのは断水、ガス漏れ、そして停電。
普段から医療機器に頼って命を繋いでいる医療的ケア児(医ケア児)にとって、停電は命に係わる一大事。
停電時の対策は必ずしておかなければなりません。
万が一の時にはどこに避難するのか、その場所では停電時でも電源を確保できるのか、安定した電源を確保するまでにどれくらいの時間が必要なのか。
これらを考慮した上で、電源確保のために備えておかなければいけません。
電源を確保する方法はさまざまですが、国立成育医療研究センター作成の災害マニュアルでは、以下のステップを推奨しています。
STEP1各機種専用外部バッテリーに関してはお勧めされるのは正規品ですので、メーカーに問い合わせれば迷うこともないでしょう。
STEP3の自家用車から電源をとる方法も知っておくと安心です。
上記マニュアル内に記載がありますので、確認してみてください。
STEP4発電機については割愛させていただきまして、今回はSTEP2市販蓄電池について選び方のポイントを見ていこうと思います。
蓄電池を選ぼう
(1) 電力量・使用可能時間
まず大事なのは、その蓄電池で現在使用している医療機器をどれくらい使い続けることができるのかは把握しておかなければいけません。
在宅避難であれば、電源が回復するまでの時間を賄わなければならないので、容量は大き目に考える必要があります。
外部避難をする場合は避難所等、安定して電力確保できる場所に移動するまでの時間を十分確保できる容量の蓄電池を選びましょう。
1台ではそれだけの時間を確保できないとなると、複数台用意する必要があるかもしれません。
- ●医療機器の消費電力の把握(例:人工呼吸器○W×使用時間)
- ●使用可能時間の目安(最低でも8〜24時間は確保したい)
(2) 充電時間
避難所等で電源をもらうにしても、大勢が避難してくる場所では1つの電源を占有し続けることが難しい場合もあります。
その場合、蓄電池に充電を繰り返しながら交代で電源を使わせてもらうことになる可能性もあります。
そうした可能性を考えると、充電時間は短いに越したことはありません。
- ●数時間で満タンになるとgood。
(3) 重さ・大きさ・持ち運びやすさ
在宅避難であれば、どんなに重たい蓄電池でもそれほど問題はないでしょう。
しかし、避難所等に避難するときのことを考えると、バギーに載せられるかどうか、というのも重要なポイントになってきます。
また、災害時以外でもお出かけ時や家の中での移動時にも蓄電池は利用することになるので、バギーや座位保持椅子に載せられるサイズや持ち運びやすさも大事なポイントになってきます。
- ●在宅避難用(ある程度重くて大きくてもよい)と外部避難用(軽さとコンパクトさ重視)
- ●外部避難用の場合はバギーに載せられるか
- ●外部避難用は通常のお出かけ時にも利用(実際は避難用よりも沢山使用)、家の中で移動する際に座位保持椅子に積んで移利用することも。
(4) ディスプレイの見やすさ
ぱっと見で残量がわかりやすいというのも大事なポイント。
残量表示がみえにくいと、気が付いたら残量がなくなっていた、なんてことも。
ディスプレイは見やすいに越したことはありません。
- ●残量確認がしやすいとgood
使ってみた蓄電池のご紹介
当サイトでも別ページで蓄電池をご紹介しています。
※Maxell「Energy Station」に関しては現在(2025年8月)MES-TR470は販売終了しており、MES-TR1000が販売されています。
さて、個人的な使用感になりますが、これから蓄電池の購入を考えているようであれば、以下参考にしてみてください。
Maxell 「Energy Station(エナジーステーション) MES-TR470」
【販売終了】ポータブル電源「Energy Station(エナジーステーション) MES-TR470」|リチウム イオン 蓄電 システム|Biz.maxell - マクセル
現在販売終了しているものです。
正直重くて持ち運びが大変。
ディスプレイで残量確認もしづらい、充電後に放電が起きやすい、という結果でいまいちでした。
現在販売中のMES-TR1000はより重たい16Kgの商品のため、持ち運びには向いていないように思われます。
JVC 「BN-RB37-C」
使用可能時間は半日~1日で長くありませんが、軽くてディスプレイで残量確認もしやすいです。
通所の送迎時など、普段の移動時の使用にも向いています。
Jackery ポータブル電源 708
Jackery ポータブル電源 708|大容量・防災製品等推奨品認証・高安全性 – Jackery Japan
Jackery SolarSaga 100W ソーラーパネル
Jackery SolarSaga 100Wソーラーパネル|高変換効率・防水・防塵 – Jackery Japan
世田谷区で医療的ケア児のいる世帯に無償支給されているものです。
ソーラーパネル付きというのが災害時には嬉しいところですね。
Jackeryでは他にも用途に合わせて充電容量の多いものも販売されているので、多少重くても、というようであれば他の商品も確認してみると良いかもしれません。
蓄電池の使い方
上記蓄電池に関して、世田谷区から支給される際に以下の画像、動画を参考として提供されています。
世田谷区医療的ケア相談支援センターHi・na・ta制作
世田谷区医療的ケア相談支援センターHi・na・ta制作
また、支給の際には以下の注意点を添えられています。
他の蓄電池にも共通の注意点と思われますので、蓄電池購入後は気を付けておきましょう。
世田谷区のように無料支給している自治体は多くありませんが、蓄電池の購入に関しては助成金の出ている自治体もあります。
お住まいの自治体に関しても一度調べてみるとよいでしょう。
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