ねぇ、絵本ってどれ買ったらいい?
絵本の読み聞かせってちょっと憧れませんか?
小さな我が子を膝にのせて、お気に入りの絵本を読んであげる。
我が子が産まれる前でも後でも、絶対に一度は夢想したはずです。
だがしかし、なにしろ生まれてきた我が子は超がつくほどマイペース。
どうにもクールで反応に乏しい……。
あまり難しく考える必要はありませんが、どういった絵本を選べばよいのか、悩んでしまう人もいるでしょう。
では、絵本を選ぶときにはどういったポイントを押さえればよいのか考えてみましょう。
ところで、「絵本がよい」という、その心は?
世の中には子どもの食いつきがよい動画コンテンツがあふれていますよね。
テレビやYouTubeを見ていればい静かにしていてくれる、みたいな……
それでも「絵本がよい」と言われるのには理由があります。
小さい子には「過去から未来へという時間の流れ」の感覚がまだありません。
この感覚が育っていない小さい子は、「覚える」ということが苦手です。
そして、動画のような流れる情報はさらに覚えることが難しいです。
ではどうするのか、というと、
何度も何度も繰り返すことで覚えることができます。
何度も同じものを見て、繰り返しイメージを作ることで覚えていきます。
発達に遅れのある子であればなおさらでしょう。
ということで、動画よりも絵本の方が都合がよいのです。
親が「もういい加減飽きたんじゃない?」と思っても、小さい子は毎回新鮮なイメージを持って絵本を見ているのです。
お気に入りの絵本を何度でも繰り返し繰り返し読んであげましょう!
絵本選びの基本的なポイント
子どもの絵本を選んでいると懐かしくなりませんか?
「自分が子どもの頃にもこの絵本を読んだなぁ」
「この絵本好きだったんだよねー」
「あれ、この絵本ってこんな話だったっけ?」
などなど、絵本を見ていると色々な思い出とともに様々な感情が湧き上がってくるでしょう。
「自分が好きだったなー」という思い出から、ついつい買ってしまった絵本もきっとありますよね。
ところで、その絵本が今の我が子にとって適切な絵本かどうか、気にしていますか?
親が好きな絵本を選ぶ、というのも一つの選び方ではありますが、その絵本が子どもの発達年齢にあっているかどうか、というのも大事なポイントです。
例えば言葉の発達段階として、1-2歳児は体験で得られる言葉(ママ、パパ、ブーブーなど)しかまだ理解できません。
抽象的な言語(悲しい、楽しい、など)を理解できるようになるのは3歳以降と言われています。
言葉の発達には時間がかかるものですから、1-2歳児に抽象的な言語を多用するような絵本を何度繰り返し見せてもなかなか理解できない、ということです。
発達年齢に合った絵本かどうか、というのは、裏表紙を見れば「〇歳から」というような表記があるのでだ
いたいわかります。
「〇歳から」であって「〇歳まで」の表記がないところがポイントです。
絵本は何歳になって読んでも、それこそ大人になってから読んでもよいからです。
発達年齢より上の絵本を読んでも理解できないという問題がありますが、その逆であれば問題ありません。
むしろ、年齢によってその絵本に対する解釈は変わるものです。小さい頃に読んでいた絵本を、もう少し大きくなってからまた読む、というのもよい経験になるでしょう。
小さな子や発達に遅れのある子にとっての適切な絵本のもう一つのポイントは、経験できるかどうか、です。
抽象的なものを理解できるようになる以前の発達段階においては、体験がないものは理解することが難しいです。
そのため、空想的な内容よりも、現実的に体験可能な内容の方が、より分かりやすいのです。
この繰り返しによって、小さな子でも絵本の内容を理解できるようになっていきます。
発達に遅れのある子の場合、絵本に示された「〇歳から」というのがどの程度指標にできるかというのは難しいところです。
発達年齢が実年齢相当であれば問題ありませんが、それより遅れている場合、だいたい何歳程度の発達状況なのか、というのを見極めていく必要があります。
発達に遅れのある子の発達状況が一般的な発達の子が示す発達状況とどの程度一致しているのかは定かではありませんが、両者を比較することである程度予測することはできるでしょう。
発達状況の予測に関してはまた別の記事でご紹介します。
※ 当記事は「絵本児童文学研究センター」の基礎講座を参考にして構成しております。
絵本・児童文学研究センター(通信講座・通信教育/名誉会長 河合隼雄 氏) (ehon-ej.com)