同じ病気だったらどうしよう・・・
障害児でも医ケア児でも、我が子はかわいい。
だがしかし、健康であるに越したことは無い。
ケアをしながらの育児は難しい。
できれば次は元気な子に産まれてきて欲しい。
そりゃそうですよ。
子どもが病気であって欲しいと思っている親なんていないでしょうからね。
障害児・医ケア児のいる家庭の場合、次に生まれてくる子が元気に生まれてきてくれるかどうかは、結構な大問題ですよね。
障害のある子を2人、3人と育てている家庭がないわけではないですよ?
やろうと思えばできます。
しかし、考えただけでちょっと……大変そう……。
そこが心配で2人目の妊娠に慎重になっているご家庭もあることでしょう。
そんな時に参考になるのが、出生前検査という方法です。
出生前検査ってどんなもの?
医ケア児を出産後のママであれば、既に出生前検査を利用した方も多いでしょう。
読んで字の如く、生れてくる前にお腹の中の赤ちゃんの病気や体の特徴、健康状態について検査することです。
とはいえ、世の中に万能確実の検査はありません。
出生前検査も、もちろん全ての疾患について把握できるわけではありません。
赤ちゃんが先天性疾患を持って生まれる割合は3~5%程度といわれています。
100人いれば3~5人は先天性疾患があるってことです。
思ったより多い気がしませんか?
その中で、染色体の病気は25%程度です。
出生前検査で確定診断ができるのは染色体異常だけ。
つまり、先天性疾患の25%程度に過ぎない、ということです。
胎児超音波検査(エコー検査)を併用すれば、脳や臓器、手足顔などの特徴から染色体異常以外の疾患も拾うことができるので、診断できる割合はもう少し上がります。
しかしながら、視覚や聴覚、神経精神発達などの疾患は出生前検査では検出することができません。
出生前検査が陰性だったからと言って、必ずしも病気の全くない子が産まれるとは限らないってことです。
出産時のトラブルで出生直後に障害を持ってしまう可能性もありますしね。
しかし、上の子の病気が染色体異常や遺伝性疾患であれば、新しく産まれる子が同じ病気かどうか調べるのには適した検査ではあります。
遺伝カウンセリングの必要性
きっと大丈夫だろう、と期待をこめて検査に挑んだとしても、やはり考えなければいけないのは陽性だった時どうするのか、という問題です。
この問題に対面する際、サポートとなるのが遺伝カウンセリングです。
出産前に子どもに障害が見つかったご家庭であれば、既に受けたことがあるご家庭も多いでしょう。
出生前検査や先天性疾患に関する妊娠・出産の相談を専門家(臨床遺伝専門医、認定遺伝カウンセラー、遺伝看護専門看護師など)に行える場のことです。
遺伝性疾患に限らず、先天性の疾患であればどのようなものでも相談できます。
検査陰性であれば、不安は残るもののとりあえずは通常の妊婦検診を継続しつつ赤ちゃんの成長を見守ることになるでしょう。
一方、検査陽性だった場合、どうしますか?
検査が陽性であれば、考えなければいけないことはたくさんあります。
何を考えて、何を決めなければいけないのか。
そのための情報はどこで手に入れればよいのか。
悩める夫婦と家族だけでの情報集めは難しいはずです。
検査によってわかること・わからないことの捉え方を伝えたり、最善の選択とは何なのかを考えたり、今ある情報を整理したり、心理的なサポートを行ったり。
そうした支援を行うのが遺伝カウンセリングの目的です。
自分たちだけで悩まない。
確かな情報源から正しい情報を手に入れることがなによりも大事です。
最終的には夫婦、家族が意思決定を行う必要がありますが、まずはじっくりカウンセリング相談を受けましょう!
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