J-16 医ケア児家庭の家族計画 ④第二子なのに一般的な育児が初めて問題

 

初めての育児じゃないのに、ほぼ初めてなんだよね

 

 医ケア児の育児は一般的な育児とは違うところがたくさんありますよね。

 障害の程度により様々かとは思いますが、医ケア児しか育てたことがないと、離乳食作りとか、トイレトレーニングとか、いたずら防止とか、あまりご縁がなかった家庭も多いはず。

 

 そんなところに二人目が生れたらどうなると思います?

 

 

 上の子の育児とケアで、小さな子には手がかかることはよくわかっている。

 しかしながら、上の子の育児経験が下の子の育児に通用するとは限らない。

 

 既に育児経験者のはずなのに、新米ママと変わらない状態。

 一般的な育児に関する情報を集めつつ、二人目なのに初めての育児経験をすることになります。

 

 

 しかも医ケア児のお世話もしながら。

 

 

 

 

J-16 医ケア児家庭の家族計画 ④第二子なのに一般的な育児が初めて問題

 

 

 大変そうだな……とは思うでしょうが、

 

 ″初めての医ケア児育児” に比べれば ″初めての育児”の方がある面では困らないはずです。

 

 なぜなら、世の中に育児情報はたくさんあふれているから!

 

 

 

 J-16 医ケア児家庭の家族計画 ④第二子なのに一般的な育児が初めて問題

 

 

 

 

 

 とはいえ、情報はあったとしても経験するまでは不安でしょう。

「こんなことできるのかな?」とか、「できなかったらどうしよう」とかね。

 そして一番の問題は、「ケアの合間にこんなことできるのかな?」だね。

 

 

 でも大丈夫。

 

 医ケア児のお世話に関しては、周りに経験者なんていないし、自分の経験だけを頼りに頑張るしかなかったでしょう?

 でも一般的な育児なら、右を見ても左を見ても経験者がいるはずです。

 

不安があるのなら、経験者を頼ればよいのですよ!

聞けばだいたいのことは誰かが知っています。

「あれが不安、これが不安」と相談すれば何かしら助言がもらえますし、手伝ってくれる人も必ずいます。

 

 

 医ケア児を人に預けるには越えなければいけないハードルがたくさんありますが、一般的な育児で事足りる子であれば、人に預けるのはそこまで難しくありません。

 

 極端なことを言えば、自分は医ケア児のお世話に専念して、二人目のお世話を誰かに任せてしまうことだってできます。

 そこまで極端ではなくても、見守ってくれる経験者の手が一つあるだけで、不安も負担もかなり減らすことができます。

 

 そもそも、育児は一人でするものじゃない!人の手を借りてやるもの!

 これに関しては医ケア児のお世話と一緒ですね。

 頼れるものはガンガン頼る!

 これが一番大事なところ!

 

 

J-16 医ケア児家庭の家族計画 ④第二子なのに一般的な育児が初めて問題

 

 

 

 

 

頼れる先を確認しておこう!

 

 

 

 

 

J-16 医ケア児家庭の家族計画 ④第二子なのに一般的な育児が初めて問題

 

 

 

 

 

 

 

おじいちゃん おばあちゃん

 

 もっとも身近かつ頼りやすい育児経験者と言えば、おじいちゃんおばあちゃんでしょう。

 

 一番気軽に頼れる相手。

 

だけれども、親しき仲にも礼儀あり。一番気を使わないといけない相手ではあります。

 

 

おじいちゃんおばあちゃんに頼れる条件としては、

 

・家が近い

・病気がなく、体が元気で認知機能に問題がない。

・仕事や趣味が少なく、暇な時間が多い

・積極的に孫と関わる気持ちがある

 

上記条件を全て満たす場合は、何の遠慮もなく頼ることができますよね。

 

しかし、どれか一つでも条件を満たさない場合、やはりこちらが気を使わなければいけなくなります。

無償で協力してくれる相手ではありますから、今後も円滑な関係を保つためにはそれなりに遠慮も必要になります。

 

 

 

 

 

 

 

おじいちゃんおばあちゃんのように多少の遠慮が必要になるのは「無償で対応してもらうから」というのが一つのポイントですよね。

 

「遠慮なく頼りたい」という場合は、やはりお金で解決することになります。

 

 

 

 

 

保育園

 

一番はこれ。

 

保育園が受け入れ可能な年齢は園によって違います。

00か月から受け入れてくれるところはほぼありません。

一番早くても首が完全に座ってから、およそ5か月からと言われることが多いようです。

 

5か月であれば育休取得の範囲内。

 少なくとも生後5か月までパパに育休をとってもらえば、ワンオペケア&育児は回避できるはず!

 

 

 保育園にはもちろん保育経験豊富な保育士さんがいます。

 気軽に育児に関して相談できる相手がいるだけで、育児ストレスを緩和することができますよ。

 

 それに、保育園にあずけていれば他の子のママやパパと交流する機会もあります。

 基本的に医ケア児家庭の親は孤立しがち。

 こういうところで孤立解消するのもよいと思います。

 

 

しかし、保育園に預けるママパパたちは基本的には忙しい人ばかり。

なので保育園でのパパママとの関わりは基本的にドライです。

交流したいときは、こちらから声を掛けるようにしましょう。

逆に言えば、そういった関わりが煩わしければ声をかけなければいいということでもあります。

 

 

さて、保育園には認可保育園と認可外保育園があります

常時介護が必要な医ケア児がいる場合、認可保育園に入る要件を満たすことができます。

 

認可保育園であれば、満3歳以降であれば幼児教育無償化により、保育料はほぼタダです。

が、0-3歳の間は住民税非課税世帯であれば補助の対象ですが、そうでない場合は利用料を払う必要があります。

利用料は地域、保育園によって異なります。

 

 

 

 

しかし問題は、医ケア児から目を離せないので、保育園への送り迎えができない、ということですよね。

そういう時は、下記で紹介する子どもサポートセンターを活用してみてください。

 

 

 

 

 

 

ベビーシッター

 

ベビーシッターとは?基本知識やサービス内容、料金相場、利用時に気をつけること - KIDSNA キズナシッター

 

 

お金をかけて解決、となったときに便利なのがベビーシッター。

ベビーシッターは、主に保護者が不在のときに、自宅に来て子どもの世話をしてくれることが一般的です。

 

 

 子どものお世話が主な業務のベビーシッターですが、最近のシッターは需要に応じて様々なことに対応してくれます。

 たとえば、保育園や学童・習い事への送迎、病後児保育、宿題サポートのほか、洗濯物たたみ、食器洗いなどの家事代行までしてくれることもあります。 

 

対象となるのは、主に0歳〜12歳くらいまでの子どもです。

ですが、預かり可能な年齢を制限している場合もあります。

特に1歳未満は預かれないとしている場合もあるので、確認が必要です。

 

ベビーシッターになるには特に資格が必要なわけではありませんが、保育士・幼稚園教諭・教員免許・看護師などの資格も持っている人が多いようです。

そうした資格を持たない方のなかには、専門の勉強をして、公益社団法人全国保育サービス協会が認定する「認定ベビーシッター」を取得してから働くというケースもあるようです。

 

ベビーシッターを利用するときには、主にベビーシッター派遣会社に依頼する方法と、マッチングサービスを利用する方法の二つがあります

 

ベビーシッターの派遣会社を利用する場合、依頼内容に応じてベビーシッター会社が対応できるベビーシッターを派遣します。

 

派遣会社のサービスを利用する場合には、基本料金とは別に、入会費や年会費が発生することもあるので注意しておきましょう。

 

ベビーシッター/キッズシッターなら家事代行のベアーズ

 

 

 

マッチングサービスを利用する場合、利用者が専用アプリの紹介ページを参考にしながら、自分でベビーシッターを選ぶことができることが一般的です。

 

マッチングサービスの料金体系については、ベビーシッター自身が能力や資格に応じて自ら設定している場合が多いため、自分の要望に合う方をきちんと見極めることも大切かもしれません。

 

ベビーシッター探すなら保育士・幼稚園教諭・看護師100%の【KIDSNAシッター】

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基本料金の相場は、1時間1000円~4000円ほどを設定しているところが多いようですが、利用するサービスによっては、事前に会員登録するために、会員費や年会費が必要になるところもあるでしょう。

 

 

盲点となるのは、事業所によっては親の同室不可の場合があることです。

 

 ベビーシッターの基本は親不在時の子どもの世話です。

 そのため、親が自宅にいる状態でのシッターを受けていない場合があります。

 

 医ケア児の家庭にそんなこと言われても……という気はしますし、こちらの事情も考慮してもらえるのではないかと思いますが、そういう規定を持っている事業所もあるということを知っておいた方がよいでしょう。

 

 

 

 

 

ファミリーサポートセンター

 

 

こども家庭庁が主導する事業で、ほぼ全国に存在しています。

 

 

育児の援助を受けたい人(依頼会員)と援助をしたい人(提供会員)がそれぞれセンターに登録し、センターが会員同士のマッチングを行います。

 

ファミリー・サポート・センター|こども家庭庁

全体版_ファミリー・サポート・センターのご案内

 

 

 

センターへの登録は、各自治体の福祉課に問い合わせれば教えてもらえるはずです。

 

 

利用する際、基本的には事前予約制です。

自治体によっては緊急時の預かりも行っています。

 

札幌市の場合は2事業展開されており、日常的な預かりは「さっぽろ子育てサポートセンター」、病気・緊急児の預かりは「「札幌市こども緊急サポートネットワーク」」と住み分けられています。

そのため札幌市では、日常預かり・緊急預かりの両方を利用する場合は二か所に登録する必要があります。

 

お住まいの自治体がどのような事業を持っているかは、各自治体福祉課の窓口やホームページなどで確認してください。

 

 

 

自治体によって差はあるかと思いますが、札幌市こども緊急サポートネットワークでは泊りがけの預かりも受けてくれます。

医ケア児が入院するのはもはや日常の一コマ。

そして医ケア児が入院すれば親の付き添い入院がマストという現状。

下の子をパートナーが一人でお世話し続けるのは、無理じゃないかもしれないけれど、結構大変。

長期の入院になってくるとなおさら。

そういう時、一泊でも二泊でも、預かってもらえると助かりますよね。

 

 

他にも利用する場面としては、

 

 

医ケア児が自宅にいると、保育園の送り迎えでさえ難しい。

そういう時に、センターに登録していれば下の子の送り迎えを依頼することができます。

 

 

同様に、下の子に習い事をさせたくても、付き添ってあげられないからさせられない。

なんて時に、親のかわりに付き添いをお願いすることもできます。

 

 

医ケアの子の病院受診の日だったり、ちょっと買い物に出かけたいときだったり、自分とパートナーだけでは手一杯の日だったり。

 

割とどんな理由でもサポートを依頼することはできます。

 

 

 

 

 

札幌市であれば30350円と、ベビーシッターに比べて価格は安く設定されています

しかしその分、ベビーシッターほどの融通は利きません

 

サポートに入ってくれるのは、提供会員に登録している有志の方たちです。

値段設定からもわかるように、ほぼボランティアのような感覚で登録されています。

 

そのため、ベビーシッターのように何かしらの資格を持っていたり保育の勉強をしていたり、というわけではなく、「自分の子育てが一段落ついた子ども好きのおば様、おじ様」がほとんどです。

 

そうした方たちの善意に甘える形ですので、ベビーシッターのようにこちらが希望を出してあれもこれもやってもらえる、というわけではありません

 

センターによるマッチングはあるものの、近所のおじちゃん・おばちゃんに預けているだけ、という感じです。

 

そのため、毎回同じ人に固定して依頼することはできません。

提供会員の都合次第では断られることもあるからです。

センターの方でも、なるべく同じ人をマッチングするようにしてくれますが、提供会員の都合がつかない場合は別の人を紹介することになります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

医ケア児を預けるハードルは高いですが、ケアのない子であれば、預かってくれる先は割と豊富にあります。

自治体によって差はありますが、全く無い、なんてことはないはずです。

医ケア児と弟妹の両方を育てていくのであれば、そういった預かってくれる場所、サポートしてくれる人をうまく活用していきましょう!

 

 

 

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