パパが頑張るしかない時だってある
シングルファザー、シングルマザーのご家庭もあるかもですが、今回のお話は、とりあえず2人目出産時にはパパとママの両方が家庭内にいることが前提です。
子どもが生まれるにはパパとママが必要。
家庭内にパパとママがいるのなら、二人で協力して然るべき。
だけど、出産だけはどう頑張ってもママにしかできない。
そして産後しばらくはママの体調は不安定です。
生まれたての子の世話をするのも、もちろん大変。
ママだけで生まれたての子と医ケア児の二人を世話するなんて、それはさすがに無理というもの。
ママだけじゃどうすることもできない。
じゃあ、誰がするの?
おじいちゃん?おばあちゃん?ベビーシッター?
そんなわけないでしょ。パパがいるんだから。
ということで、産後しばらくはパパが全面的に子育てをするつもりで準備しておきましょう!
とりあえず、育休取れよ!
ところで、医ケア児を出産した際、パパは育児休業(育休)を取りましたか?
生まれてすぐNICUに入院してしまったために、育休を取らなかったという家庭もあるかもしれませんね。
でしたら、次こそは絶対に取得を!
男性の育休取得が促進されている現在、「仕事が忙しくて休めない」などと言うのはもはや時代遅れと心得ましょう!
制度の内容をチェックしよう!
さて、育休制度ですが、2022年に法改正されたのをご存知でしょうか?
育休は、全ての労働者が取得可能です。
原則、⼦どもが 1 歳に達する⽇(1歳の誕⽣⽇の前⽇)まで(最長2歳まで)取得することができます。
法改正前は原則分割不可でしたが、2022年10月からは2回まで分割して取得できるようになりました。
また、この法改正では、男性の育休取得を促進するため、従来の育休とは別に産後パパ育休(出生時育児休業)を取得することが可能となりました。
産後パパ育休の対象期間は、子どもの出生日から8週間以内の期間です。
最長4週間まで、2回まで分割して休業することができます。
8週間の間に家庭の事情に合わせて、延べ日数4週間をどこで取得するか自由に決めることができます。
つまり、まとめて4週間とるのもOKだし、1週間だけ1回取得でもOKということ。
制度の意図としては、出産退院時に1回、その後8週間の間にもう1回、ということを想定しているようです。
産後パパ育休を取得したい時は、必ず事前に申し出る必要があります。
原則として取得する日(出産予定日)の2週間前までに申し出る必要があります。
「産後パパ育休」と「育休」は別の休業制度です。
「産後パパ育休」は、出生時から連続で育休が取れない場合に、小分けにすることで育休を取得しやすくする意図があります。
「産後パパ育休」と「育休」はそれぞれ2回まで分割して取得可能です。
生まれてすぐの8週間中に2回、その後1歳までの間に2回、計4回まで分割取得できるということです。
また、育児休業中は原則として就業不可ですが、労使協定を結んでいれば産後パパ育休中は就労が可能です。
つまり、ちょっとだけリモートワークするとか、会議にだけ出席するとか、ということがOKなのです。
とはいえ、医ケア児パパの場合、産後ママが新生児のお世話で手一杯の間、医ケア児のお世話を担当していただくためにも、できれば分割せずに育休を取得していただきたいものです。
分割する必要がない場合は「産後パパ育休」は取得せず、最初から「育休」を取得すればよいということになります。
もし、パパ以外にも医ケア児のお世話をできる家族(祖父母、兄弟など)がいれば、パパが育休を分割して取得できるというのは大きなメリットになるかもしれません。
とはいえ、収入面も考えないとね
育休中は収入が減少することも見過ごせません。
育休中の給付金は最初の180日間は休業前賃金の67%、180日以降は50%となります。
また、産後パパ育休の給付金も休業前賃金の67%です。
結構減るでしょ?
そこで、2025年4月からは「出生後休業支援給付金」が創設されました。
・子どもの出生後、8週間以内に「産後パパ育休」または「育休」を14日以上取得
・出産時、ママが働いていない(育休取得中、仕事を持っていない、自営業やフリーランス、など)
※夫婦両方の育児休業取得が原則ですが、配偶者が無職の場合など例外規定があります。
上記2つの条件を満たすとき、「出生後休業支援給付金」が支給されます。
https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/001374956.pdf
給付額は28日を上限に、休業前賃金の13%が支給されます。
67%の育休給付金と合わせると休業前賃金の80%が給付されることになります。
育休中は社会保険料が免除となり、給付金は免税されるため、手取り額のほぼ100%が給付されることになります。
ただし、手取り100%の支給が受けられるのは28日間だけ。
残りの(180-28)日は67%、以降は50%の給付になるため、一年間育休を取ればその年の収入は減ってしまいます。
また、育休給付金には上限がありますので留意ください。
https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/001374956.pdf
支給上限額は年に一度見直され、少しずつ増えてはいますが大きく変化はしていません。
月給およそ46万以上の人の場合は、給付金だけでは手取り100%と同等の収入にはなりません。
高収入世帯では確実に育休中の手取り額は減ることになります。
この場合、育休中は何らかの家庭内収支計画の変更が必要かもしれません。
1年間、お父さんには育休をとってほしいところではありますが、その一方で収入面の不安はやはりなくなりません。
1年間育休を取得するのが難しければ、まずは時短勤務にしてもらうという方法もあります。
2025年4月から「育児時短就業給付金」が創設されました。
育児時短就業中、賃金の10%が給付されることになります。
この制度で、時短勤務による収入の減少を抑えることができます。
収入面の不安があり、パパに長く休んでもらうのが難しい場合、そこからはママも頑張る必要があります。
できれば産後半年程度、給付金が67%の間には、体調と相談しながらもママ一人(パパ不在の状態)で乳児と医ケア児の世話を両立する方法を確立したいところです。