
はじめてのおでかけ=退院 のときの準備
医療的ケア児(医ケア児)や障害を持った子(障害児)の場合、生まれた直後から入院になることも多いです。
一般的には出生後1週間前後で産院から退院するものですが、生まれた直後から入院している医ケア児の場合は何カ月もNICUで過ごすことも稀ではありません。
NICU入院中は検査などの特別な場合を除いて、NICUから出ることができません。
生れてからずっとあの部屋の中でのみ過ごしているため、外気に触れることなく何カ月も過ごしていることになります。
そんな子にとっては、退院する瞬間が始めて外気に触れる瞬間になるわけです。
退院するということは、まずは家まで無事にたどり着かなければなりません。
親にとってもこれは初めての経験。
今まですぐそばで見守ってくれていた医師も看護師もおらず、全て自分たちで対応しなければいけない状況に初めてなるわけです。
不安と心配がいっぱいですね。
ですがきちんと事前に準備していれば大丈夫!
退院に向けてのお出かけ準備を確認してみましょう。

事前に十分な在宅移行準備ができていれば大丈夫
参考:A-在宅移行までの流れ | 暮らしの記事|医ケアkidsナビ
「退院」となると色々と準備が必要です。
退院=在宅移行に向けての準備は様々ですが、その準備過程で医療的ケアを医師や看護師がいない状況でもご家族ができるように練習することになります。
自宅に帰る道のりの間にもケアが必要になるかもしれませんから、無事に家までたどり着くにはケアの習得が必須です。
ケアの習得は、慣れるまで練習するしかありません。
病院から出てしまえばあとは家族でなんとかしなければいけませんが、退院直前まではすぐそばでスタッフが見守ってくれます。
「一人でもできる!」「慣れていない場所だったとしてもなんとなかなる!」という自信がつくまで、何度でも練習しておきましょう。

移動手段の確認
自宅まで徒歩で帰ることができるのならば、あまり心配はないかもしれません。
しかし、自宅が遠方の場合、車か公共交通機関を使う必要があります。
どの交通手段でも問題はありませんが、退院時の交通手段としてのお勧めは自家用車、もしくはタクシー(福祉タクシー)です。
参考:介護タクシーと福祉タクシーの違いは?(外部リンク)
できないわけではありませんが、公共交通機関を使用する場合、事前にチェックしなければならないポイント(エレベーターの場所、暑さ寒さなど外気の状況、混雑具合など)が多いので、初めての自宅退院時にはややハードルが高めです。
自家用車を使用する場合、退院までに介護車両や車用の座位保持椅子を用意できていれば完璧ですが、多くの場合は一般的なチャイルドシートを使用することになると思います。
参考:医ケア児の困ったにこたえるブログ チャイルドシートってどうしてる?
しかし拘縮などがある場合、思ったように座らせられないということもあるので、事前に座らせられるかどうかや、乗ったとときの機器の配置場所など確認しておくとよいでしょう。

医療機器と一緒に移動する練習
常時医療機器を必要とする医ケア児の場合、ここからそこまで移動するのも一苦労です。
自宅まで退院するには、それらの機器も一緒に連れて行かなければなりません。
退院までにバギーを作成しておけば、医療機器を乗せる場所等も考慮して準備することができますが、退院時は一般的なベビーカーを使うことになる場合も多いです。
参考:医ケア児のベビーカー選び
一般的なベビーカーにも荷物入れは存在していますが、ものによっては積載量が小さいものもあります。
事前に必要な機器全てを乗せられるかどうかは確認が必要です。
また、管類が装着された状態での移動は思ったよりも気を使うもの。
思わぬところでひっかけてしまい、アラームが鳴り響くことも・・・。
退院が決まった後は、機器をベビーカーに積んで移動する練習もしておく方が安心です。

できれば院内散歩
NICU入院中は基本的にNICUから出ることができません。
しかしながら、産後に退院し、後に病気が判明して入院した場合などは一般病棟で過ごすことになるため、主治医に確認が必要ではありますが、基本的には院内であれば移動が可能です。
NICU入院中でも、病院によっては院内の移動程度であれば許可される場合もあるかもしれません。
退院へ向けて、院内での移動が許可されるのであれば、院内散歩をしてみましょう。
機器を積んでの移動やエレベーターの乗り降りなど、実際にやってみて初めて気が付くこともあります。
院内であればスタッフはあちこちにいますから、何かあっても安心です。
もし可能であるならば少しだけでも院内散歩ができると、退院に向けて自信が持てるのではないでしょうか。

まとめ
様々な医療機器を必要とする医ケア児は少し出掛けるだけでも結構大変。
退院に向けてあれこれやってみて、初めてそれを実感する方も多いでしょう。
最初はベビーカーに機器を積み込んで子どもを乗せるだけでも一苦労です。
ですがやっている間に少しずつ慣れてくるもの。
そしてあれやこれや、便利なグッズや方法を見つけて自分なりのやり方が見つかるはず。
退院後の楽しいお出かけライフを想像して、ゆっくり慣れていきましょう!


